会社で作ったプログラムの著作権は誰のもの?
1) 会社が著作権を持つ職務著作とは
プロジェクトの一員として、一部分のプログラムのみを作成した場合は、自分に著作権がなくても納得のゆく方が多いのではないかと思います。
それでは、自分一人で担当して、企画から要件定義、仕様書・設計図の作成、コーディング、検証まで行った場合はどうでしょうか?
これも、契約書で特に定めのない限り、会社が著作権を持ちます。会社等が著作権を持つ著作物は「職務著作」といい、プログラムの著作物の場合、以下のようにその定義が定められています(著作権法第15条第1項・第2項)。
① 法人その他使用者の発意に基づき作成されるものであること
② 法人等の業務に従事する者により作成されるものであること
③ 法人等の従業者の職務上作成されるものであること
④ その作成のときにおける契約・勤務規則等に別段の定めがないこと
(プログラム以外の著作物については、「法人等の著作名義の下に公表するものであること」も要件とされていますが、プログラムの著作物については一般的に公表される性格のものではないことから、この定義は除外されています)
2) 企画はゴーサインがあってはじめて発意となる
しかし従業員が立てた企画なら、職務著作の①の定義を満たさないのではないでしょうか?
実はこの場合も、発案(企画)の実施に際して使用者(経営陣等)が承認した段階ではじめて、「発意」が認められることになると解釈されています(参考:『著作権法』 斉藤博著、有斐閣 P125)。
また、④の定義の「契約・勤務規則等に別段の定めがないこと」についても、従業員に著作権を帰属させるような契約を交わしている会社は、実際はあまりありません。
3) 派遣従業員として作成したプログラムの帰属先は?
それでは、派遣会社の従業員として派遣先の会社で作成したプログラムの著作権は、どこに帰属するでしょうか?基本的には契約書で処理している場合が多いと思われますが、契約で特に決めていない場合、帰属先は個々のケースによってさまざまです。
上記定義の「法人」を「派遣会社」と読み替えても差し支えない場合であれば、派遣会社の職務著作となる可能性が高いですが、仮に派遣社員が派遣先企業の指揮監督下で一部の作業を行うに過ぎないような場合、つまり両者の間に実質的な使用関係が発生している場合は、派遣先企業の職務著作となる可能性もあります。
以上の話はプログラムだけではなく、会社で職務として作成した文章やイラストといったその他の著作物についても当てはまります。
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参考文献



